糸リフトは頬のたるみに効果的?仕組み・メリット・向いている人までやさしく解説

年齢を重ねるにつれて、鏡に映る自分の頬が少しずつ下がってきたと感じる瞬間はありませんか。マスクを外した写真でフェイスラインのもたつきが気になったり、オンライン会議のサムネイルで「以前より輪郭がぼやけたかも」とハッとしたり。そんなとき、切らずにリフトアップが期待できる美容医療として注目を集めているのが「糸リフト(スレッドリフト)」です。
本稿では、糸リフトが頬のたるみにどう効くのか、施術の魅力と限界、向いている人・向いていない人、ダウンタイムやアフターケア、他施術との上手な組み合わせまで、丁寧に解説します。施術検討の参考にしていただけますと幸いです。



目次

1. 頬のたるみが起きる原因

頬のたるみは一つの要因で起こるのではなく、複合的な変化が重なって生じます。

乾燥による弾力低下

乾燥すると角層の水分保持力が落ち、バリア機能が低下します。真皮のコラーゲン産生も鈍りやすく、ハリの支えが弱くなるためたるみの温床になります。

紫外線による光老化

毎日の紫外線は真皮のコラーゲンやエラスチンを傷つけ、弾力を低下させます。結果として輪郭がぼやけ、頬の下垂感が強く見えます。

筋力・支持組織の衰え

表情筋や靱帯などの支持組織も年齢とともにゆるみます。筋力が弱いと重力に抗えず、メーラーファットやジョールが下がってフェイスラインのもたつきにつながります。

そのほかの要因

体重変動、骨量の変化、喫煙や睡眠不足などの生活習慣も関与します。たるみは肌・筋肉・骨・脂肪の多層構造の問題であることを理解すると、対策の筋道が見えます。


2. 糸リフトの仕組みと種類

糸リフトは、医療用の溶ける糸を皮下に挿入して組織を支え、必要に応じて軽く牽引する施術です。大きく次の三つの作用があります。

  1. 支持作用
    糸が内部の“支柱”となり、下がった組織の位置を安定させます。
  2. 牽引作用
    コグ(突起)付き糸などで適切な方向に軽く引き上げ、輪郭のもたつきを整えます。
  3. コラーゲン増生
    糸の周囲でコラーゲン生成が促され、時間とともにハリ感の底上げが期待できます。

素材と形状の例

  • 素材の例
    PDO、PLLA、PCL などの吸収性素材が一般的です。吸収速度や硬さが異なるため、目的や肌質に合わせて使い分けます。
  • 形状の例
    コグ付き、スムース、ショートスレッドなど。コグ付きは牽引力を、スムースはタイトニングとコラーゲン増生を主に狙います。

部位別の相性

頬やフェイスラインは適応が広く、マリオネットライン周辺の影が浅く見えることもあります。一方、深いシワそのものを埋めるのには向いておらず、シワの土台となる下垂にアプローチする施術だと理解しておくと期待値の調整がしやすいです。


3. 効果の出方と持続期間

  • 直後の変化
    牽引によるリフト感は当日から体感しやすいです。むくみが落ち着くと自然になじみます。
  • 中長期の変化
    数週間から数カ月でコラーゲン増生が進み、ハリ感や肌質がじわじわ向上します。
  • 持続期間の目安
    個人差がありますが、素材や本数、生活習慣、年齢によって体感は変わります。定期的なメンテナンスで良い状態を保ちやすくなります。

4. メリットとデメリット

メリット

  • 切らずにたるみと輪郭へアプローチできる
  • ダウンタイムが比較的短く、忙しい方でも計画しやすい
  • コラーゲン増生により予防的な効果も期待できる
  • デザインの自由度が高く、自然な仕上がりを目指しやすい

デメリット・リスク

  • 効果は永続ではない
  • 腫れ、内出血、痛み、ひきつれ感、口が開けにくい感覚などが一時的に出ることがある
  • 皮膚表面の凹み、糸の触知や露出、感染のリスクは稀に生じる
  • 左右差や期待値とのギャップが起きる可能性がある

5. ダウンタイムとセルフケア

  • 経過の目安
    腫れや内出血は術後数日がピークで、1〜2週間かけて落ち着くことが多いです。
  • 当日の過ごし方
    入浴や飲酒、激しい運動は医師の指示がある間は控えます。うつ伏せ寝や強いマッサージも避けます。
  • スキンケア
    清潔を保ち、低刺激の保湿と紫外線対策を徹底します。レチノールやピーリングは一時休止の指示が出ることがあります。
  • 受診の目安
    痛みや腫れが強い場合、凹みや発赤が増す場合は自己判断を避け、早めに連絡します。

6. 向いている人と注意が必要な人

向いている人

  • メスを使う手術に抵抗があり、自然な範囲で引き上げたい
  • 頬のたるみが軽度から中等度でフェイスラインを引き締めたい
  • 皮膚に一定の厚みと柔らかさがあり、糸が通りやすい
  • ダウンタイムを短くしたい、イベント前に準備したい

注意が必要な人

  • 重度のたるみで支持組織のゆるみが強い
  • 皮膚が極端に薄い、強い炎症や感染がある部位
  • 妊娠、授乳中、出血傾向がある、重い基礎疾患がある
  • 一度で永続的に若返るといった非現実的な期待を持っている

7. 施術の流れ

  1. カウンセリング
    悩みの整理、適応の見極め、素材と本数、デザイン、リスクを丁寧に共有します。
  2. デザイン
    鏡で引き上げたい方向やゴールを確認しながらマーキングします。
  3. 施術
    消毒、麻酔後、皮下へ糸を挿入しテンションを微調整します。
  4. 終了後の説明
    当日の過ごし方、注意点、次回受診の目安を案内します。

8. 費用相場と本数の考え方

費用は素材、長さ、コグの有無、本数、デザインの複雑さで変わります。複数本で数万円台後半から数十万円台まで幅があり、より自然で長期的な満足度を重視するなら、むやみに本数を増やすより骨格や皮膚厚に合った配置を優先します。必要最小限の本数で最大の効果を引き出すデザイン力が重要です。


9. 他施術との比較と併用

  • ハイフ
    超音波で深部に熱を与えタイトニングを狙います。糸が牽引・支持、ハイフが引き締めと役割が異なるため、時期をずらした併用で相乗効果が期待できます。
  • ヒアルロン酸
    こめかみ、頬骨、顎先などの支点を補強し、輪郭の骨格的支えを整えると糸の仕上がりが自然に見えます。
  • ボツリヌストキシン注射
    広頸筋の過緊張や食いしばりによるエラ張りが強い場合、輪郭の見え方が改善することがあります。
  • 外科的フェイスリフト
    重度のたるみには有効ですが、ダウンタイムや費用が大きくなります。糸リフトは自然さと手軽さを優先したい方に向きます。

10. クリニック選びのチェックリスト

  • 施術者本人の症例写真が明示されているか
  • 糸の種類と選定理由があなたの肌に合わせて説明されるか
  • リスクと修正方針を事前に共有してくれるか
  • 追加費用の条件を含め、見積もりが明瞭か
  • 過度な勧誘がないか、カウンセリングに十分な時間が確保されるか

11. よくある質問

Q. 効果はいつからどのくらい実感できますか
A. 直後から軽いリフト感を感じる方が多い一方、コラーゲン増生による質感の底上げは数週間から数カ月かけて進みます。持続の体感には個人差があります。

Q. 痛みは強いですか
A. 表面麻酔や局所麻酔で軽減できます。痛みの許容度には個人差があるため、麻酔の種類と量は遠慮なく相談してください。

Q. 何本くらい必要ですか
A. 骨格、皮膚厚、たるみの度合いで異なります。単純に本数を増やすより、支点設計とベクトル設定が重要です。

Q. 痩せ型でも受けられますか
A. 皮膚が薄い場合は糸の選び方や深さの調整が鍵です。必要に応じてヒアルロン酸などの併用を検討します。

Q. バレたくありません
A. むくみや内出血、表情の違和感は一時的に出ることがありますが、多くは数日から数週間でなじみます。予定に合わせて時期を調整しましょう。

Q. ハイフとどちらがいいですか?
A. 目的が異なります。糸リフトは物理的な牽引と支持で即効性を与え、ハイフは超音波熱で深部を引き締めて輪郭を整えるのが得意です。さらに、当院で取り扱いのあるソフウェーブは表層〜中層のコラーゲン産生を促し、肌のハリ・小じわ・軽度のたるみに強い“次世代型たるみ治療”になります。ダウンタイムが比較的少ないのも特長です。理想は肌質や下垂の程度に合わせて組み合わせ治療を計画し、医師と相談して最適解を選ぶことがおすすめです。


12. THE FIRST CLINICのご案内

糸リフトで頬のたるみ改善を目指すなら、デザインと技術、アフターケアが三位一体であることが重要です。THE FIRST CLINIC では、骨格や皮膚の厚み、生活動線まで考慮したオーダーメイドの設計で、必要最小限の本数でも自然な変化をめざすアプローチが可能です。ダウンタイムを抑える工夫や術後フォローも丁寧に行っています。初めての方や手術に抵抗がある方も、まずはカウンセリングで不安や疑問を気軽にご相談ください。


13. まとめ

糸リフトは、切らずに頬のたるみとフェイスラインに働きかける現実的な選択肢です。支持・牽引・コラーゲン増生の三つの作用で、見た目のリフト感と将来的なたるみ予防の両輪をねらえます。重度のたるみには他治療の併用や外科的選択肢を含めて検討し、適応の見極めとデザイン、本数、アフターケアまで一貫して計画することが満足度を左右します。

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